第282話なんてハンサム

とりわけ、婚約破棄を言い出したのがセレナ本人で、その過程でロック家の面目を潰すも同然だったのだ。そんな彼女を、いまさら一族に迎えて結婚させるなど、いったいどうしてできるというのか。

エリザベスは内心でそっと安堵の息をついた。自分は何も心配する必要がない。

レッサは彼女の表情の変化を見届けると、何でもないことのように付け加えた。

「キャリントン嬢、油断は禁物よ。あのときセレナがどうして婚約を破棄したのか、誰も知らない。でも当時の彼女は若くて世間知らずだったわ。

いまは大人になって、しかもロスウェル家があれほど苦しい状況なら、セレナの考えが変わっていても不思議じゃない。ロック家に入りたが...

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